疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン

大魔術師バレリアンの降臨

リズは片手でドラゴンの角を掴んだまま、もう片方の手で貴賓席の王を指さした。

空は、またたくまに黒い雲で覆い尽くされ、生暖かい風が王宮広場に吹き抜けていく。

「王よ。私を覚えているか?」

リズは不気味に笑い、ペンダントの魔法石を王に突き付けた。

カッ・・・!!

その瞬間、稲光が、黒い雲間に走った。

「リズベット・・・確かお前は・・死んだはずだ・・」

王が真っ青な顔で答えると、リズは不敵な笑いを浮かべ、王に向かって両手を差し伸べた。

「そうだ。そしてよみがえった。バレリアンの大魔術師としてな。」

王は椅子から立ち上がったが、目を見開いたまま、動くことができなかった。

見物客たちも、大魔術師の降臨を目の当たりにして、氷ついて動かない。

「王よ。このドラゴンは私のものだ」

リズは魔法石を空に向けると、稲妻が走り闇を切り裂いた。

「勝手に殺すなど・・私が許さぬぞ」

グワシャーーーーン

王宮の尖塔に雷が落ち、炎が燃え上がった。

「バレリアン・・偉大なる魔術師がよみがえった・・」

見物客たちが口々に騒ぎはじめた。

「バレリアンの大魔術師の呪いだ!!!」

< 82 / 92 >

この作品をシェア

pagetop