極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
テレビを消した後も二人の間には何とも言えない気まずい空気が流れていた。
羽衣子はベッドの端に座ったまま視線を泳がせ、昴もまた視線を背けている。
そんな沈黙が続いた末に、先に口を開いたのは昴だった。
「……とりあえず、シャワーでも浴びてきたらどうですか」
「え?」
「今日は色々あったし、その方が少し落ち着くでしょう」
確かに、このまま同じ空間にいるのは妙に居心地が悪い。
「そうですね、……それじゃあお言葉に甘えて」
羽衣子は素直に頷き、半ば逃げるようにバスルームへ向かっていく。
温かなシャワーを浴びながらも頭に浮かぶのは先ほどの出来事ばかりだった。
棚の中にあった見慣れない商品の数々にテレビに映し出された映像、そういった経験のない羽衣子にとってどれも未知の世界で思い出すだけで顔が熱くなる。
そしてふいに別の疑問が浮かぶ。
(京極さんは……どうなんだろう)
昴自身、誰かと付き合ったという話は聞いたことがないけれど、付き合ったことがないことと経験がないことは別だ。
経験もないのか、それとも――。
「な、何考えてるの私……」
羽衣子は慌てて首を振るも一度考え始めると簡単には止まってくれず、結局余計なことを考えてしまう自分に困りながらシャワーを終えた。
羽衣子がバスルームから出るとテーブルの上にはいつの間にか複数のコンビニ袋が置かれていた。
「これ、組の連中に持ってこさせましたから、適当に好きな物を食べてください」
「えっ、こんなに?」
「勿論、食べられる分だけでいいですよ」
そう言うと昴は立ち上がった。
「それじゃあ私もシャワーを浴びて来ますね」
羽衣子と入れ違いに昴はバスルームへ消えていく。
一人になった羽衣子は袋の中を覗くと、飲み物やおにぎり、お菓子まで入っている。
「すごい……」
とりあえず喉が渇いていたので、お茶とミネラルウォーターを取り出す。
その時、袋の奥に缶のお酒が混ざっているのに気付いた。
正直、昴が戻ってきてまた気まずい空気になるのは嫌だった羽衣子は少しくらい気分を軽くしたい、そんな思いから缶のチューハイを手に取りプルタブを開ける。
一口、もう一口、飲みやすい味だったこともあり思った以上に進んでしまった、その結果――。
「ふぅ……」
頬がほんのり赤く染まり、身体も火照り、頭が少しふわふわする。
そんな中、バスルームの扉が開いてシャワーを終えた昴が姿を現す。
濡れた髪をタオルで拭きながらテーブルを見ると、空きかけの缶が目に入った。
「……お酒を飲んだんですか?」
言いながら手に取って確認すると、それは思ったより度数が高い。
羽衣子が普段どの程度飲めるのか知らないが、今日は疲労も溜まっていて酔いが回るのが早かったとしても不思議ではない。
そんな不安を抱きながら昴は羽衣子へ視線を向けると、羽衣子は頬を赤く染めたまま昴を見上げている。
「吾妻さん、大丈夫ですか?」
心配になり昴がそう声を掛けると、羽衣子はむぅっと頬を膨らませた。
そして、
「また……、吾妻さん呼びに、なってます……」
不満そうに見上げる瞳は、どこか拗ねた子供のよう。
「さっきはちゃんと、羽衣子って……呼んでくれたのに…………」
そう言いながら羽衣子はじっと昴を見つめていた。
羽衣子はベッドの端に座ったまま視線を泳がせ、昴もまた視線を背けている。
そんな沈黙が続いた末に、先に口を開いたのは昴だった。
「……とりあえず、シャワーでも浴びてきたらどうですか」
「え?」
「今日は色々あったし、その方が少し落ち着くでしょう」
確かに、このまま同じ空間にいるのは妙に居心地が悪い。
「そうですね、……それじゃあお言葉に甘えて」
羽衣子は素直に頷き、半ば逃げるようにバスルームへ向かっていく。
温かなシャワーを浴びながらも頭に浮かぶのは先ほどの出来事ばかりだった。
棚の中にあった見慣れない商品の数々にテレビに映し出された映像、そういった経験のない羽衣子にとってどれも未知の世界で思い出すだけで顔が熱くなる。
そしてふいに別の疑問が浮かぶ。
(京極さんは……どうなんだろう)
昴自身、誰かと付き合ったという話は聞いたことがないけれど、付き合ったことがないことと経験がないことは別だ。
経験もないのか、それとも――。
「な、何考えてるの私……」
羽衣子は慌てて首を振るも一度考え始めると簡単には止まってくれず、結局余計なことを考えてしまう自分に困りながらシャワーを終えた。
羽衣子がバスルームから出るとテーブルの上にはいつの間にか複数のコンビニ袋が置かれていた。
「これ、組の連中に持ってこさせましたから、適当に好きな物を食べてください」
「えっ、こんなに?」
「勿論、食べられる分だけでいいですよ」
そう言うと昴は立ち上がった。
「それじゃあ私もシャワーを浴びて来ますね」
羽衣子と入れ違いに昴はバスルームへ消えていく。
一人になった羽衣子は袋の中を覗くと、飲み物やおにぎり、お菓子まで入っている。
「すごい……」
とりあえず喉が渇いていたので、お茶とミネラルウォーターを取り出す。
その時、袋の奥に缶のお酒が混ざっているのに気付いた。
正直、昴が戻ってきてまた気まずい空気になるのは嫌だった羽衣子は少しくらい気分を軽くしたい、そんな思いから缶のチューハイを手に取りプルタブを開ける。
一口、もう一口、飲みやすい味だったこともあり思った以上に進んでしまった、その結果――。
「ふぅ……」
頬がほんのり赤く染まり、身体も火照り、頭が少しふわふわする。
そんな中、バスルームの扉が開いてシャワーを終えた昴が姿を現す。
濡れた髪をタオルで拭きながらテーブルを見ると、空きかけの缶が目に入った。
「……お酒を飲んだんですか?」
言いながら手に取って確認すると、それは思ったより度数が高い。
羽衣子が普段どの程度飲めるのか知らないが、今日は疲労も溜まっていて酔いが回るのが早かったとしても不思議ではない。
そんな不安を抱きながら昴は羽衣子へ視線を向けると、羽衣子は頬を赤く染めたまま昴を見上げている。
「吾妻さん、大丈夫ですか?」
心配になり昴がそう声を掛けると、羽衣子はむぅっと頬を膨らませた。
そして、
「また……、吾妻さん呼びに、なってます……」
不満そうに見上げる瞳は、どこか拗ねた子供のよう。
「さっきはちゃんと、羽衣子って……呼んでくれたのに…………」
そう言いながら羽衣子はじっと昴を見つめていた。