極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
 けれど、昴はそこで気づいてしまう。

 避妊具の用意が無かったことに。

 寝室へ戻れば避妊具自体はあるものの、今ここで中断するのは正直難しい。

 しかも、寝室では希海が寝ていることもあり、万が一にも起こしてしまうリスクがある。

 かと言って避妊具をせずにするにはリスクがあり過ぎる。

(……悩むことじゃねぇだろ……今すぐ止めるべきだ……)

 頭では十分理解している。

 大切な羽衣子にリスクを背負わせることをすべきでは無いと。

 だが、ここまで来てしまった今、このまま止めるという選択をすることは互いに辛い気持ちもある。

 悩みに悩んだ昴は、羽衣子の腟内へ挿れていた指を引き抜くと、口を開いた。

「――悪い、羽衣子……その、このまま続きをするのは、少し難しくなっちまった……」
「……っ、え……?」

 上がった息を整えつつ、羽衣子はどういうことなのかと昴へ視線を向ける。

「……あ、あの……もしかして、わたし……なにか、昴さんの気に障るようなことを……っ?」
「違う! そうじゃねぇんだ。その……こんな状況で言うことじゃねぇんだが……避妊具の準備が……ねぇんだ」
「!」

 昴の言葉に羽衣子はハッと気づき、頬を赤く染めた。

「流石にしないでこのままするのはリスクしかねぇし、お前に不安を背負わせることもしたくねぇ」
「……昴、さん……」

 羽衣子だって、避妊具をせずに行為に及べばどういったリスクがあるかくらい理解している。

 ただ、互いに気持ちが昂り合ったこんな状況下でそれを理由に行為を中断するなんてと羽衣子は昴の言動に感動した。

(きっと、辛いはずなのに、そんな風に思ってくれるなんて……)

 友人からの話で、男は性欲を抑えることが難しい場合が多いし、中には避妊なんてしないで求めてくる奴もいるから気をつけなよ、なんて言っていたことを思い出した。

(昴さんだって絶対辛いはずなのに、きちんと考えてくれてる……しないのはリスクはあるけど、でも……)

 どこか辛そうな昴を前にした羽衣子は彼に向かって両手を伸ばすとそのまま背中へ回していき、

「…………お願いします、止めないで……、続けてください……」

 抱きつく形で昴へ身体を近付けた羽衣子は、自分の思いを口にした。

「何言ってんだ。分かってるのか? リスクしかねぇんだぞ?」
「それは、分かってます……でも、このまま止めるなんて……嫌……っ、私、覚悟決めたんです! 昴さんにならって……だから……」

 そんな羽衣子の思いを聞いてしまった昴は、このまま止めるなんて出来るはずが無かった。

(……男として、最低なことをするかもしれねぇけど……そんなこと言われちゃ、止めることなんて出来ねぇよな……)

「――分かった。ただ、絶対膣内(ナカ)には出さねぇようにするから……羽衣子の初めて、俺にくれるか?」
「……はい」

 昴が羽衣子の背に腕を回したことで抱き合う形になり、見つめ合った二人はどちらからともなく唇を重ねると、貪るように互いを求めていった。
< 124 / 128 >

この作品をシェア

pagetop