極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
 食事を終え暫く寛いでいると昴のスマートフォンが鳴り、確認すると乙哉から。

「どうした?」

 何かあったのかと電話に出た昴が尋ねると、

『あ、すいません。希海が昴さんや羽衣子ちゃんと話したいって言うんで……代わりますね』
「ああ」

 どうやら亮治の屋敷に泊まりに行っている希海が二人のことを恋しく思っているらしい。

 すぐにビデオ通話へ切り替えると画面いっぱいに希海の顔が映し出された。

『パパ、ういちゃん!』
「希海」
「希海くん」

 二人の顔が見えた途端、希海は嬉しそうに笑い、昴と羽衣子も自然と笑顔になり少しの間、他愛のない話を交わしていく。

 楽しそうに話していた希海だったが、途中瞼が重たそうになっていき、それに気づいた昴が優しい声で告げた。

「もう眠いだろ。明日の夕方には迎えに行くから良い子にしてるんだぞ」
『うん……』
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい、希海くん」
『おやすみ、パパ……ういちゃ……』

 そして通話が終わると、再び二人きりの時間が戻ってきた。

 昴はふと羽衣子へ視線を向ける。

「もう一度、温泉に入ってきたらどうだ?」
「……あの」

 その問いかけに羽衣子は答えようとして口を閉じる。

 何か言いたいことがあるようなのだが、なかなかそれを口にしない。

「……どうした?」
「……その……」

 そんな中、もう一度問いかけられた羽衣子は意を決して顔を上げた。

「……あの、温泉…………一緒に……入りたい、です」
「…………」

 羽衣子の言葉に、昴の動きが止まる。

 羽衣子の方から誘われるとは思っていなかったのだろう。

 目を見開き、明らかに面を食らったような表情を浮かべている。

 その反応を見た羽衣子はますます恥ずかしくなったのか俯きつつ、

「……駄目、ですか?」

 返事だけを待った。
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