極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
「……っん……、はぁ……」

 初めは触れるだけの口付けだったけれど徐々に深いものへと変わっていき、何も身に纏わない互いの存在を意識するたび平静を保つことが難しくなっていく。

 もう一度重なった唇は先程よりも長く深い。

 羽衣子が伏せた睫毛を震わせると、その艶めいた表情を目にした瞬間、昴の中にあった理性が音を立てて崩れていく。

 いくら二人きりと言えど露天風呂の中でするのはいかがなものか、それに昴には今回の旅行にある目的を持っていて、それを遂行する為にも理性は保ちたいと思っていたのだけれど、目の前の羽衣子があまりにも魅惑的で欲情してしまう自分に抗えず、昴は羽衣子の咥内へ強引に舌を割り入れると更に深い口付けを与えていく。

「……ん……っ、ふぁ、……んん、」

 舌を絡め取られて息継ぎすら上手く出来ない羽衣子の身体からは力が抜けていき、昴はその身体を支えるように抱き締めた。

「……すばる、……さんっ、」

 ようやく唇を解放された羽衣子が息を整えながら名前を呼ぶと、昴はハッと我に返る。

「……悪い……」

 正直今ここで止めるのは辛いけれど、このまま続けてしまえば歯止めが効かなくなることを理解している昴は羽衣子から離れる。

「このままだと逆上せちまうな。そろそろ出るか」
「……え、……」

 出る提案をされた羽衣子もこのまま続けてしまいたい思いが頭の片隅にあるものの、温泉の中でする訳にもいかないだろうと思いとどまり、

「……そう、……ですね」

 再び顔を背けながら頷いた。

「俺は先に上がるから、少しゆっくりして来い」
「は、はい……ありがとう、ございます……」

 昴は立ち上がると湯から上がって先に戻っていってしまう。

「…………このまましちゃうのかと思った……」

 扉が閉まり、一人になった羽衣子は乱れた呼吸を整えながら無意識にポツリと呟くと、期待している自分がもの凄くはしたなく思えて恥ずかしくなった。
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