極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
 先に温泉から上がった昴はシャワーで頭から冷たい水を浴びていた。

「……ったく、何やってんだ。しっかりしろよ……」

 先程の自分の行動を思い返せば返す程、理性を保てなかったことを悔やんだ昴。

 昂った気持ちをゆっくりと鎮めていく。

 暫くして、ようやく落ち着きを取り戻した昴は身体を拭いて浴衣を身につけると部屋へと戻っていく。

 そして、羽衣子の様子を窺いながら自身の荷物の前へやって来た昴はバッグの中から何かを取り出すと、それを手にしたままベッドへ近づき脇に置かれたチェストの引き出しを開けてそっとしまった。

 一方その頃、身体に残った火照りを落ち着かせるように羽衣子が温めのシャワーを浴びていた。

(部屋に戻ったら……どんな顔すれば良いんだろ……)

 そんなことを思いながらシャワーを浴び終えた羽衣子は身体を拭くと用意していた下着へ手を伸ばした。

(……昴さん、これを見たら、どう思うんだろう……)

 羽衣子はこの日の為に用意した黒い下着を前に動きを止める。

 いつも淡い色ばかり身につけていたからこそ、手に取るだけでもドキドキしてしまう。

(っていうか……ちゃんと気づいてくれるかな?)

 気づいてほしいけれど、あまりに意識されるのも恥ずかしい。

(気づかれないのは悲しいけど……張り切りすぎって思われたり、引かれたりしたらどうしよう……)

 更にはそんな不安まで頭を過ぎる。

 それでも羽衣子は意を決して下着を身に着けていき、その上から浴衣を羽織ると乱れていないか鏡で確認する。

「……よし」

 そして身支度を整えた羽衣子は覚悟を決めるように小さく頷くと脱衣場の扉を開けて部屋へ戻って行った。
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