極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
 部屋を出た昴は、先程の羽衣子の言葉を思い返して自然と頬を緩めていた。

 結婚するし、出来ることなら避妊をせずに愛し合いたい。

 そんな思いを昴は抱いていたけれど、その選択によって身体的なリスクを負うのは羽衣子で、希海のこともある以上その場の雰囲気や勢いに任せて決めるようなことはしたくなかった。

 だからこそ羽衣子もまた自分と同じように考えてくれていたことが嬉しかったし、希海の気持ちをきちんと考えてくれていることが何より有難かった。

 寝室へ戻ると希海がすやすやと穏やかな寝息を立てていた。

 起こさないようにそっと布団を掛け直すと、クローゼットから避妊具の入った箱を取り出した昴はそれを手に足音を忍ばせながら寝室を後にすると羽衣子の元へ戻っていく。

「悪かったな、待たせて」
「いえ……」

 一度中断したことで先程まで二人の間に満ちていた熱は幾分か落ち着いていたけれど、昴が手にしているものが視線に入り込んだ瞬間、羽衣子の胸がドキッと跳ねる。

 そんな羽衣子の様子に気づいた昴は手にした箱をベッド脇のチェストの上に置きながら口元を緩めた。

「……何、緊張してんだ?」
「そ、そんなこと……」
「へえ? じゃあ、こっちを向いてくれ」

 からかうような声に促された羽衣子がおずおずと顔を上げて目が合った途端、昴の表情からからかうような笑みが薄れて代わりに優しい眼差しが浮かんだ。
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