極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
「改めまして、京極 昴と申します。このたびはご挨拶が遅くなってしまい大変失礼いたしました」

 そう言って昴は丁寧に頭を下げる。

「いや、気にしないでくれ。羽衣子ももう立派な大人だからね。誰と付き合うか、誰と人生を歩むか、私があれこれ口を出すことではないと思っているんだ。それに羽衣子はしっかりした子だから、そういう面では心配していないよ」
「叔父さん……」

 叔父の言葉に羽衣子の表情が和らぐも、昴の表情は緩まない。

 今日ここへ来たのは、ただ結婚の許しを得る為だけではない。

 羽衣子の身内に対して自分がどのような人間なのかを包み隠さず伝える為でもあった。

「それで、本日はお話ししたいことがあり、お時間を頂戴しました」
「うん、何かな?」
「……羽衣子さんからどこまでお話を聞いていらっしゃるかは分かりませんが……まずは、私自身のことをお話しさせてください…………私は、世間一般で言う堅気の人間ではありません」

 その言葉を境に空気が一変し、叔父の表情から先程までの柔らかな笑みが消える。

 それでも昴は言葉を続けていく。

「極道の世界に身を置いています」
「……そうか」

 叔父は短く答えたもののその表情からは心の内を窺い知ることが出来ない。

「そのような人間であることを承知の上で、お願いします。どうか、私と羽衣子さんの結婚を認めていただけないでしょうか」

 静まり返った室内に昴の声だけが響く。

「彼女のことは何があっても私が守ります。どんなことがあろうと私の命に代えてでも守り抜き、必ず幸せにします。彼女のご両親にも結婚の報告をさせていただきました。どうか……私たちの結婚をお許しいただけないでしょうか」

 羽衣子は隣で頭を下げ続ける昴の姿を見つめていた。

 自分との未来の為に自身のことを嘘偽り無く話して真摯に頭を下げてくれている。

 その姿に胸が締めつけられた羽衣子は、

「叔父さん、私からもお願いします。昴さんとのことを認めてください。彼となら、どんなことでも乗り越えていける自信があります。お父さんやお母さんにも胸を張って幸せになるねって言えます。だから……」

 自身も叔父に頭を下げながら自分の思いを口にしていった。
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