極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
少しの間沈黙が続く中で昴と羽衣子は叔父に向かって頭を下げ続けていると、やがて叔父が静かに口を開いた。
「――二人とも、頭を上げなさい」
その言葉に二人はゆっくり顔を上げて再び叔父と向かい合うと、叔父はどこか申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「……羽衣子から京極さんがどんな人柄なのかは少し聞いていたんだけどね、その……極道の人間だということまでは聞いていなかったから、少し驚いてしまって…………すまない」
「いえ、当然の反応だと思いますから私は気にしておりません」
昴が落ち着いた口調で答えると叔父は小さく息を吐いた。
「……そうか、ありがとう」
一度言葉を区切った叔父は言葉を続けていく。
「……京極さん、君は子供を育てているらしいね」
「はい」
叔父の言葉に昴は表情を引き締める。
「そのことが羽衣子さんにとって負担になる可能性があることも重々承知しております……」
「叔父さん、私、希海くんのことを負担になんて思っていません! 自分の子供のように大切に思っています!」
昴の言葉を遮るように羽衣子が真っ直ぐな眼差しで訴えると、そんな羽衣子を見た叔父は穏やかに微笑んだ。
「うん、分かっているよ。羽衣子が子供を好きで保育士になったことも困っている人がいれば手を差し伸べられる優しい子だということも私はよく知っているからね」
「叔父さん……」
「だから、私はそのことについて反対するつもりはないよ……だって、私も同じ道を歩んだんだからね。自分の子供ではない子を育てる……それがどれ程の覚悟を必要とすることなのか、私は誰よりも理解しているつもりだよ」
「あ……」
その言葉を聞いて羽衣子と昴は改めて気づいた。
叔父もまた昴と同じように想汰と羽衣子を育ててきたのだということに。
「あれは私が二十七歳の頃だった。兄貴と義姉さんが亡くなって……親類が集まって羽衣子たちをこれからどうするか話し合ったのは」
叔父は当時を思い返すように少し遠くへ視線を向けた。
「その時、可哀想だけど二人を施設に預けるのが一番なんじゃないかっていう意見が出てね」
「……え?」
羽衣子は思わず声を漏らした。
両親が亡くなった当時、まだ幼かった羽衣子は自分や兄がどのような経緯で叔父に引き取られたのかを知らなかった。
ただ、両親の親類が多くなかったことは覚えているし、兄と自分の二人を引き取って育てるにはそれなりの経済力が必要だったことも成長する過程で理解していた。
「――二人とも、頭を上げなさい」
その言葉に二人はゆっくり顔を上げて再び叔父と向かい合うと、叔父はどこか申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「……羽衣子から京極さんがどんな人柄なのかは少し聞いていたんだけどね、その……極道の人間だということまでは聞いていなかったから、少し驚いてしまって…………すまない」
「いえ、当然の反応だと思いますから私は気にしておりません」
昴が落ち着いた口調で答えると叔父は小さく息を吐いた。
「……そうか、ありがとう」
一度言葉を区切った叔父は言葉を続けていく。
「……京極さん、君は子供を育てているらしいね」
「はい」
叔父の言葉に昴は表情を引き締める。
「そのことが羽衣子さんにとって負担になる可能性があることも重々承知しております……」
「叔父さん、私、希海くんのことを負担になんて思っていません! 自分の子供のように大切に思っています!」
昴の言葉を遮るように羽衣子が真っ直ぐな眼差しで訴えると、そんな羽衣子を見た叔父は穏やかに微笑んだ。
「うん、分かっているよ。羽衣子が子供を好きで保育士になったことも困っている人がいれば手を差し伸べられる優しい子だということも私はよく知っているからね」
「叔父さん……」
「だから、私はそのことについて反対するつもりはないよ……だって、私も同じ道を歩んだんだからね。自分の子供ではない子を育てる……それがどれ程の覚悟を必要とすることなのか、私は誰よりも理解しているつもりだよ」
「あ……」
その言葉を聞いて羽衣子と昴は改めて気づいた。
叔父もまた昴と同じように想汰と羽衣子を育ててきたのだということに。
「あれは私が二十七歳の頃だった。兄貴と義姉さんが亡くなって……親類が集まって羽衣子たちをこれからどうするか話し合ったのは」
叔父は当時を思い返すように少し遠くへ視線を向けた。
「その時、可哀想だけど二人を施設に預けるのが一番なんじゃないかっていう意見が出てね」
「……え?」
羽衣子は思わず声を漏らした。
両親が亡くなった当時、まだ幼かった羽衣子は自分や兄がどのような経緯で叔父に引き取られたのかを知らなかった。
ただ、両親の親類が多くなかったことは覚えているし、兄と自分の二人を引き取って育てるにはそれなりの経済力が必要だったことも成長する過程で理解していた。