極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
簡単に着替えを済ませて一息ついた羽衣子は、ふとスマートフォンに視線を落とした。
「あ……」
すると、画面には未読のメッセージ通知が表示されていて送り主は兄だった。
少しだけ驚きながらもアプリを開き、内容を確認する。
《昨日はありがとな。それでさ、まだまだ話し足りなかったし、今週の金曜日時間あるか? もしよかったら飲みにでも行かない? 俺給料日だし、奢るよ》
昨日、会ったばかりなのに、まさかもう次の約束の話が来るとは思っていなかった羽衣子は驚きと共に、兄からのメッセージに共感しつつ柔らかな笑みを浮かべた。
(お兄ちゃんとお酒飲むなんて初めてだから少し変な感じだけど、もっと深い話とか聞けるかも?)
どこかくすぐったい気持ちで苦笑しながら羽衣子は、
《うん、大丈夫だよ。金曜日の夜なら仕事終わりなら予定も無いから》
そう返信を打って送信した。
それから程なくして既読がつき、短く《じゃあ金曜で》と返ってくる。
(楽しみだな)
スマートフォンを胸に軽く抱き寄せながら羽衣子は金曜日が早く来て欲しいと願っていた。
その時、ふと気づく。
(仕事終わりに飲みに行くなら、金曜日は送ってもらう必要はないよね)
仕事終わりには乙哉が迎えに来てくれることを思い出した羽衣子はすぐに昴に伝えるべきか一瞬迷ったものの、
(……明日の朝も会うだろうし……その時でいいかな)
明日も希海が登園して来るタイミングで顔を合わせるだろうからその時で良いやと結論づけると、羽衣子はメッセージを送ること無くスマートフォンを置いた。
翌朝、いつも通り羽衣子は園児たちを迎えていた。
やがて昴に手を引かれた希海が姿を見せる。
「せんせ!」
「おはようございます」
「希海くんおはよう、京極さんもおはようございます」
挨拶を交わし、希海はいつものように元気よく羽衣子の元へ駆け寄った。
希海の頭を軽く撫でながら、羽衣子は昴へと視線を向け、
「……あの、少しよろしいですか?」
「ええ、どうかしましたか?」
「実は今週の金曜日なんですが……仕事終わりに予定が入ったので、その、金曜日は送っていただかなくて大丈夫です」
「……予定、ですか」
「はい、実は兄から飲みに誘われたので」
羽衣子のその言葉を聞いた昴は微かに眉根を寄せるもそれを感じさせず、
「お兄さんとですか。それは楽しみでしょう。分かりました」
それ以上は何も触れなかった。
「ありがとうございます」
羽衣子も軽く頭を下げ、そのやり取りの後、昴は希海へと視線を落とした。
「じゃあな、希海」
「うん、バイバイ」
希海の元気な返事を受けた昴は踵を返すと駐車場へと向かって車へと戻り、運転席に乗り込んだ。
そしてドアを閉めると同時に無駄のない動きでワイヤレスイヤホンを耳に装着すると、エンジンをかけて車を発進させながら通話を開始した。
数秒のコール音の後、相手が出る。
「……先日の件だが、どうなってる?」
『はい。吾妻羽衣子については……特に目立った情報はありませんでした』
「……そうか」
相手の返答に淡々と受け流す昴だったが、次の言葉で空気が変わった。
『ですが――彼女の兄、吾妻 想汰について、いくつか気になる情報がありまして』
「……続けろ」
『はい――』
イヤホン越しに流れ込んでくる内容を聞くにつれ、昴の表情は次第に険しさを増していき、ハンドルを握る手に力がこもっていった。
「あ……」
すると、画面には未読のメッセージ通知が表示されていて送り主は兄だった。
少しだけ驚きながらもアプリを開き、内容を確認する。
《昨日はありがとな。それでさ、まだまだ話し足りなかったし、今週の金曜日時間あるか? もしよかったら飲みにでも行かない? 俺給料日だし、奢るよ》
昨日、会ったばかりなのに、まさかもう次の約束の話が来るとは思っていなかった羽衣子は驚きと共に、兄からのメッセージに共感しつつ柔らかな笑みを浮かべた。
(お兄ちゃんとお酒飲むなんて初めてだから少し変な感じだけど、もっと深い話とか聞けるかも?)
どこかくすぐったい気持ちで苦笑しながら羽衣子は、
《うん、大丈夫だよ。金曜日の夜なら仕事終わりなら予定も無いから》
そう返信を打って送信した。
それから程なくして既読がつき、短く《じゃあ金曜で》と返ってくる。
(楽しみだな)
スマートフォンを胸に軽く抱き寄せながら羽衣子は金曜日が早く来て欲しいと願っていた。
その時、ふと気づく。
(仕事終わりに飲みに行くなら、金曜日は送ってもらう必要はないよね)
仕事終わりには乙哉が迎えに来てくれることを思い出した羽衣子はすぐに昴に伝えるべきか一瞬迷ったものの、
(……明日の朝も会うだろうし……その時でいいかな)
明日も希海が登園して来るタイミングで顔を合わせるだろうからその時で良いやと結論づけると、羽衣子はメッセージを送ること無くスマートフォンを置いた。
翌朝、いつも通り羽衣子は園児たちを迎えていた。
やがて昴に手を引かれた希海が姿を見せる。
「せんせ!」
「おはようございます」
「希海くんおはよう、京極さんもおはようございます」
挨拶を交わし、希海はいつものように元気よく羽衣子の元へ駆け寄った。
希海の頭を軽く撫でながら、羽衣子は昴へと視線を向け、
「……あの、少しよろしいですか?」
「ええ、どうかしましたか?」
「実は今週の金曜日なんですが……仕事終わりに予定が入ったので、その、金曜日は送っていただかなくて大丈夫です」
「……予定、ですか」
「はい、実は兄から飲みに誘われたので」
羽衣子のその言葉を聞いた昴は微かに眉根を寄せるもそれを感じさせず、
「お兄さんとですか。それは楽しみでしょう。分かりました」
それ以上は何も触れなかった。
「ありがとうございます」
羽衣子も軽く頭を下げ、そのやり取りの後、昴は希海へと視線を落とした。
「じゃあな、希海」
「うん、バイバイ」
希海の元気な返事を受けた昴は踵を返すと駐車場へと向かって車へと戻り、運転席に乗り込んだ。
そしてドアを閉めると同時に無駄のない動きでワイヤレスイヤホンを耳に装着すると、エンジンをかけて車を発進させながら通話を開始した。
数秒のコール音の後、相手が出る。
「……先日の件だが、どうなってる?」
『はい。吾妻羽衣子については……特に目立った情報はありませんでした』
「……そうか」
相手の返答に淡々と受け流す昴だったが、次の言葉で空気が変わった。
『ですが――彼女の兄、吾妻 想汰について、いくつか気になる情報がありまして』
「……続けろ」
『はい――』
イヤホン越しに流れ込んでくる内容を聞くにつれ、昴の表情は次第に険しさを増していき、ハンドルを握る手に力がこもっていった。