極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
「だからね、京極さんが自分と血の繋がりのない子供を育てていると聞いた時は、勝手ながら親近感を覚えたんだよ。君もまだ若いだろうに、なかなかできることじゃない。その……極道の人間ということについては少し考えてしまうところもあるけれど……でも、他でもない羽衣子が選んだ人だからね。きっと素敵な人であることは間違いないと思っているよ」

 叔父は穏やかな笑みを浮かべながらそう語った。

「……叔父さん」

 羽衣子が感極まったように叔父の名を呼ぶと、叔父はそっと昴へと視線を向けた。

「京極さん」
「はい」

 改めて呼び掛けられた昴は真剣な面持ちで叔父を見つめ返す。

「羽衣子は兄貴と義姉(ねえさん)が大切に思っていた子で、私にとっても本当の娘のように大切な存在なんだ。そんな羽衣子のことをどうかよろしく頼むよ。誰よりも幸せにしてやってほしい」

 大切な姪を託すその言葉には、これまで羽衣子を見守り育んできた叔父の深い愛情が滲んでいた。

 昴はその想いを真摯に受け止め力強く頷いた。

「はい、必ず幸せにします。後悔させたりしません」

 迷いのない返答に叔父の目元がじわりと潤んだ。

「……ありがとう」

 叔父は小さく笑みを浮かべると込み上げる涙を堪えるように目元を軽く拭い、今度は羽衣子へと向き直る。

「羽衣子、京極さんと幸せな家庭を築くんだよ。子供のことも、きちんと責任を持って育てていきなさい。いいね?」
「……はい」

 羽衣子は涙で濡れた顔のまま何度も頷いた。

 ぽろぽろと零れ落ちる涙は叔父の言葉に込められた愛情と自分を大切に育ててくれたことへの感謝、そして新たな人生へ踏み出す喜びが入り混じったものだった。

 その姿を見つめながら叔父は安堵したように目を細める。

 大切な姪がこれから歩んでいく未来がどうか幸せに満ちたものであるように……そんな願いを込めながら叔父は昴と羽衣子を温かな眼差しで見守っていた。
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