極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
「……そういえば、金曜日にお兄さんと飲みに行くと仰っていたじゃないですか?」
「はい」
「どこで飲むとか決まっていらっしゃるんですか?」
さりげなく問いを重ねる昴。
「駅前で待ち合わせるので、恐らく近くの居酒屋かなと」
「なるほど。時間は?」
「そうですね、お互い仕事終わりなので……19時くらいには合流すると思います」
「……そうですか」
淡々と相槌を打ちながら昴は情報を頭の中で整理する。
表向きは穏やかな会話をしながらも、変わらず周囲を警戒していく。
(……見たところ怪しい物は無さそうだが……盗聴器は見ただけじゃ分からないか……)
カップを静かに置き羽衣子に見えない手元でスマートフォンを操作すると、すぐに小さく電子音が鳴って着信が来たことを告げた。
「……失礼」
短く断りを入れると、昴はその場で通話ボタンを押した。
「はい」
落ち着いた声で応じながら、ごく自然なやり取りを相手と交わす。
この着信は昴が事前に打ち合わせていたものなので、盗聴されていたとしても問題無い他愛のない内容だ。
隠しカメラについては目視でも確認が出来る昴だが、盗聴器に関しては目視だけでは分からないので通話をしながら確認をしていた。
(……やはり、違和感がある……)
表情を変えずに会話を続けながらも昴は、耳に届く相手の声がほんの僅かに遅れて重なるような響きや、自分の声も含めてどこか別の場所で拾われているような違和感を感じ、確信する。
「……ええ、それで構いません。そこは予定通りで。それでは、また」
あくまでも自然に会話を締めくくり昴は通話を終えた。
そして、静かにスマートフォンを下ろすと一度だけ息を整えた後、羽衣子の方へと向き直る。
「吾妻先生」
呼びかけられた羽衣子は少し不思議そうに顔を上げた。
「はい?」
一旦言葉を区切ると、スマートフォンで何やら文字を打ち込んでいき、
「こちらを見ていただけますか?」
そう言いながらスマートフォンの画面を羽衣子に見えるようにテーブルに置いた昴。
羽衣子が画面を覗き込むと、《確実に断言出来る訳ではありませんが……もしかするとこの部屋、盗聴器が仕掛けられているかもしれません》という文面が打ち込まれていて、
「――え……?」
思いもしなかった言葉に羽衣子は息を呑むと、そのまま絶句した。
「はい」
「どこで飲むとか決まっていらっしゃるんですか?」
さりげなく問いを重ねる昴。
「駅前で待ち合わせるので、恐らく近くの居酒屋かなと」
「なるほど。時間は?」
「そうですね、お互い仕事終わりなので……19時くらいには合流すると思います」
「……そうですか」
淡々と相槌を打ちながら昴は情報を頭の中で整理する。
表向きは穏やかな会話をしながらも、変わらず周囲を警戒していく。
(……見たところ怪しい物は無さそうだが……盗聴器は見ただけじゃ分からないか……)
カップを静かに置き羽衣子に見えない手元でスマートフォンを操作すると、すぐに小さく電子音が鳴って着信が来たことを告げた。
「……失礼」
短く断りを入れると、昴はその場で通話ボタンを押した。
「はい」
落ち着いた声で応じながら、ごく自然なやり取りを相手と交わす。
この着信は昴が事前に打ち合わせていたものなので、盗聴されていたとしても問題無い他愛のない内容だ。
隠しカメラについては目視でも確認が出来る昴だが、盗聴器に関しては目視だけでは分からないので通話をしながら確認をしていた。
(……やはり、違和感がある……)
表情を変えずに会話を続けながらも昴は、耳に届く相手の声がほんの僅かに遅れて重なるような響きや、自分の声も含めてどこか別の場所で拾われているような違和感を感じ、確信する。
「……ええ、それで構いません。そこは予定通りで。それでは、また」
あくまでも自然に会話を締めくくり昴は通話を終えた。
そして、静かにスマートフォンを下ろすと一度だけ息を整えた後、羽衣子の方へと向き直る。
「吾妻先生」
呼びかけられた羽衣子は少し不思議そうに顔を上げた。
「はい?」
一旦言葉を区切ると、スマートフォンで何やら文字を打ち込んでいき、
「こちらを見ていただけますか?」
そう言いながらスマートフォンの画面を羽衣子に見えるようにテーブルに置いた昴。
羽衣子が画面を覗き込むと、《確実に断言出来る訳ではありませんが……もしかするとこの部屋、盗聴器が仕掛けられているかもしれません》という文面が打ち込まれていて、
「――え……?」
思いもしなかった言葉に羽衣子は息を呑むと、そのまま絶句した。