極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
 顔の半分を覆うようにマスクを付け、冷え切った目だけが三人を見据えている。

「っ……!」

 乙哉は羽衣子と希海を背に庇うように立ちはだかっているものの、希海が震えながら羽衣子の服を掴む。

「ういちゃ……っ、こわい……」
「大丈夫……っ、大丈夫だから……」

 今にも泣き出しそうな声を漏らす希海を羽衣子はより強く抱き締めるものの、羽衣子自身も恐怖で指先が震えている。

「羽衣子ちゃん、ギリギリまで下がって」

 乙哉は羽衣子に小声でそう指示しながら出来る限り相手との距離を取らせていく。
 
 一方その頃、連絡を受けた昴は既にマンション近くまで戻って来ていた。

「……チッ」

 乙哉にそう告げた直後電話が切られると、スピードを上げてマンション敷地内まで車を飛ばして来た昴は素早く駐車すると車のドアを乱暴に閉め、エントランスへ駆け込んだその瞬間、背後から黒づくめの男二人が一気に昴へ襲いかかった。

「っ!!」

 が、すんでのところで攻撃を受け止めた昴は力の限り押し退け蹴りを入れると相手は倒れ、もう一人に掴み掛って地面へ押さえつけた。

「誰の差し金だ? 言え」

 押さえつけた男に問い掛けるも答えず、蹴りを入れられ蹲っていた男に所持していた銃を向ける。

「……し、知らねぇよ、俺たちは金で雇われただけだ……」

 観念したのか押さえつけられていた男がそう呟くと、銃を向けられた男は、

「それよりも、早く部屋に行った方がいいぜ? あっちには俺らなんかよりも力のある男が行ってるんだからさ」

 と、どこか挑発的な態度で昴に言った、その直後、昴から連絡を受けた組員が数人駆けつけ、男たちを頼んで自身は部屋へ向かって行った。
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