極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
 帰宅後、遊び疲れた希海はお風呂に入ると、早々に眠りについた。

 無邪気に眠るその寝顔を見つめながら羽衣子が小さく笑い、布団を掛け直して静かに部屋を出る。

 そして自室へ戻ろうとした、その時だった。

「吾妻さん」

 背後から昴の声が掛かり、羽衣子が振り返ると袋を手に立っていた。

「これを」
「……え?」

 そして、突然差し出された袋を戸惑いながら受け取る。

「えっと、これは……?」
「開けてみてください」

 開けるよう促されて袋を開けてみると、

「え……これって……」

 中には自分が見ていた中で一番気に入ったストールが入っていて、更にその中に大きめの箱と、ジュエリーが入っていると思われる小箱も入っている。

 大きめの箱を取り出して中を確認すると、それは雑貨店で見ていたマグカップ。

 そして、小箱を手に取って開けてみると、凄く気に入って合わせてみたけれど、値段が高くて諦めたネックレスが入っていた。

「どうして、これ……」

 驚いた羽衣子がポツリと呟くように口にすると昴は、

「すみません、あの時、電話が来たと言っていましたが本当は嘘で、貴方を少しばかり観察させていただきました」
「え……」
「貴方はすぐに気を使って断るでしょう? 私としては、吾妻さんに楽しんで貰いたかった。気を使わずに欲しい物を見ていて欲しかった。だから、あえて一人にして私はそれを見守っていたんです」
「っ……!」

 昴の言葉に羽衣子は驚いたように目を見開いた。

「で、でも……だからってこんなに……」
「いつも希海のことを考えて沢山の愛情を注いでくれていて、私はとても感謝しているんです。そのお礼も兼ねていますから、受け取って貰えたら嬉しいです」
「そんな……だって、私は……借金を肩代わりしてもらっているだけでも申し訳ないのに……」
「それについては、貴方のせいじゃないことは分かっていますから、そこまで気負うことは無いですよ。いずれ貴方のお兄さんを見つけた暁には、きちんと本人から支払わせますからね」
「……っ」
「吾妻さん、いつも家事に希海のことをありがとうございます。これからは皐月もいるので、一人で気負わずに分担して家のことや希海のことをしてください。そして、貴方もたまには、息抜きをしてくださいね」

 そんな昴の言葉に羽衣子の胸は熱くなり、持っていた袋を胸元でギュッと抱き締めた。
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