この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
愛嬌たっぷりに微笑みながら、郁人の前に出る美鈴。
「初めまして、営業事務の高嶺美鈴です。私、社長が部署までご挨拶してきてくださったときは会社を休んでいたので、今日お会いでいて嬉しいです」
髪を耳にかけながら、上目遣いで郁人を見る美鈴。
郁人は顔の表情一つ変えず、冷めた視線で美鈴を見下ろす。
「そうでしたか」
それだけ言うと、郁人は心音を見る。
「社員達がカップケーキをおかわりしたいと言っています。早く持っていって」
「は、はい……」
心音は一礼してその場を去ろうとする。
「あっ、おい」
だが康太郎が心音の肩を掴む。
強く肩を後ろに引っ張られた反動で、心音は後ろに倒れそうになる。
すぐに郁人が手を伸ばすが、間に合わず、心音は柱に頭を打ちつけ、カップケーキが入ったケースを落としてしまう。
「っう……!!」
あまりの痛さに、顔を顰める心音。
そのままずるずると地面に座り込む。
「心音さん……!」
焦った郁人が心音に駆け寄り、しゃがみ込む。