この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
すると、ソファから立ち上がる郁人。
心音の前に来ると、優しく頭を撫でる。
「迷惑なんかじゃありません」
数回、優しく撫でられ、心音は心が穏やかになるのを感じる。
「君より大事なものなど、俺にはないんです」
愛しむような眼差しを向けられ見つめられながら、まるで、恋愛小説のヒーローが言うようなセリフを、いつもさらりと言ってくる郁人。
人を吸い込んでしまいそうな瞳を向けられって、そんなことばかり言われていたら、もう後戻りなどできなくなるくらい、郁人に溺れてそうになってしまう。
「さあ、ベッドに横になって」
そう言われ、心音は言われた通りにベッドに横になる。
郁人は心音に布団をかけると、ベッドの端に置かれていた椅子に腰を下ろす。
「安心して眠ってください。側にいますから」
どこまでも優しい郁人に、心音は気づけば本音が出てしまっていた。
「郁人さんは、どうして私のことが好きなんですか」
「え?」
「だって、私ってば、綺麗でもないし、スタイルがいいわけでもないのに……一緒に過ごした時間もわずかだったから、どうしてなのかなって」
関われば関わるほどに分からなかった。
容姿端麗で家柄も良く財力もある郁人。
社会的地位も高く、人柄だって良い。
これほどまでに完璧な人が、どうして自分を好いてくれているのか。