この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
「仕事もプライベートも、なんであんたみたいな地味で何の取り柄もない女が私より充実するのよ」
美鈴の瞳は刃物のように鋭い。
そこには強い怒りしかない。
(怖い……)
美鈴への恐怖から、心音はその場から動けなくなってしまう。
「あんたみたいな女に、そんなドレスに似合わないわよ」
美鈴は持っていたグラスを心音の前に突き出し傾ける。
嫌な予感がした。
だが、心音の体は動くことができない。
「おい美鈴……!」
焦った康太郎の声が聞こえた次には、心音は頭からワインをかけられた。
頭からポタポタとワインが滴る。
周りはザワザワと騒がしくなる。
「ふんっ」
美鈴は汚れた心音を見下ろし鼻で笑うと、通りかかったウェイターにグラスを渡す。
(そんな……ドレスが……)
ドレスにどんどんワインが染み込んでいく。
「私より良い思いするからよ。無様ね」
吐き捨てるようにそう言うと、美鈴はそのまま踵を返そうとする。
だが、ぴたりとその足が止まる。