この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
心音の顔を覗き込むように見る郁人。
郁人は心音の言葉を待っている。
「その……郁人さんが私とするの、大丈夫かなって思って……」
心音の言葉に、郁人は怪訝そうに眉間に皺を寄せる。
「どうしてですか?」
心音が何を言っているのか、本当に分からないという様子だ。
「だって私……」
言いずらくて、すぐに言葉にできない。
こんなことを言って、引かれたりしないだろうかと不安になる。
ぎゅっと両手の拳を握ると、心音は口を開く。
「受け身ばかりでつまらない……と思うので」
心音が声を絞り出しそう言うと、郁人はポカーンとした顔をする。
そして、気が抜けたかのようにベッドに腰掛けた。
「もしかして、元彼にそう言われたんですか?」
何も言わないで俯く心音に、郁人は図星だと思ったようだ。
「そんなこと、気にしないでいい」
そう言うと、郁人は真剣な眼差しで心音を見上げる。
「あの日は、とても完璧な夜でした。心音さんは違ったんですか?」
「それは……」
視界をいっぱいで埋め尽くした愛おしい人の顔。
触れる手はとても優しくて、まるで宝物のように扱ってくれた。
世界に二人きりのような、とてもロマンチックな情熱的な、イタリアでのあの夜。
視界が涙で滲むほど、心音は幸せを感じていた。