この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
郁人の意味深な発言に、満が首を傾げていると、カートを引いたメイドがリビングに入ってく来る。
ポットからティーカップに紅茶が注がれ、柑橘系の香りが部屋の中に漂う。
郁人はテーブルの上に置かれたティーカップを持つと、紅茶を一口飲む。
すっきりとした苦味が、口に中に広がった。
「アールグレイですか」
「ああ、お前の一番好きな紅茶だ。つい先日、イギリスに行く機会があってな、お前と飲もうと思って買っておいたんだ。気に入ったか?」
「ええ、香りも良いですし」
郁人がカップから上がる湯気で香りを楽しんでいると、満は考え深そうにスーツ姿の郁人を見つめた。
「見ない間に男になったな」
そう言うと、満は懐かしそうに目を細める。
「晶によく似ている」
晶とは、満の息子で、郁人の父である白金晶のことだ。
そして、二十年前まで、白金製菓の社長をしていた人物でもある。