この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
「少し外します」
そう言うと、郁人は携帯電話を片手に厨房を出ていく。
(険しい表情をしたけど、何かあったのかな?)
「心音、始めるよ!」
「あ、うん」
ルイスのティラミス作りに、心音は関心を持つばかりだった。
前に郁人が言っていた通り、使うアルコールはいくつものお酒を組み合わせていて、日本ではスポンジを使用されていること多いが、ルイスはスポンジではなく、フィンガービスケットという、指のような形をした細長い棒状のお菓子を使っていた。
(これが本場イタリアのティラミス……全然、違う)
携帯で写真を撮りながらメモをしていると、ルイスが嬉しそうに心音を見る。
「どうしたの?」
「いや、郁人に心音みたいな婚約者がいることが嬉しくて」
そう言うと、ルイスは携帯電話を手に取り、一枚の写真を見せてきた。
「これ、出会ったばかりの僕と郁人。郁人がイタリアに来た時だから、四年前くらいかな」
写真には、まだ幼さが残る郁人とルイスが写っていた。