この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
足早にエレベーターを降りると、郁人は心音を抱きしめた。
いきなり抱きしめられ、心音は驚きながらも郁人の背中に両手を回した。
(何か、あったのかな……?)
「郁人さん」
「少しだけ、このままで」
そう言うと、郁人は心音に顔をうずめ、存在を確かめるように抱擁を強める。
しばらくの間そうしていると、抱擁が解かれた。
郁人の顔を見ると、自分を見つめるその瞳は切なげに揺れていた。
こんな風に、心苦しそうに悲しげに自分を見つめる郁人は初めで、心音は何か良くないことがあったのだと悟った。
「ティラミス、食べませんか?」
心音はできるだけ明るくソウイウト、冷蔵庫からティラミスを取り出し、カウンターに置く。
椅子に座った郁人に引き出しから出したフォークを渡すと、心音も椅子に座りティラミスを食べる。
なめらかでコクのあるティラミスが口の中でとろけ、一口食べただけで、そのおいしさにうっとりする。
甘さも苦さも程よくて、ルイスの作ったティラミスはとても美味しかった。