この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
どんどんティラミスを食べ進める心音に対し、郁人の手は進まない。
(やっぱり、何かあったのかな)
「あ、そういえば、両親に連絡をしたら、郁人さんの都合に合わせるって言っていました。二人とも私が結婚するって聞いて大喜びでした」
「……」
返答がなく郁人の方を見ると、郁人は俯いたまま、一点を見つめ何かを考えている。
「……もしかして、結婚のことで、お祖父様に何か言われましたか」
心音の言葉に郁人が顔を上げる。
何気に言ったことだったが、当たってしまったようだ。
ティラミスを食べていた心音の手が止まる。
「心音さん」
「そうなりそうだなって、思ってました」
大企業の社長で、財閥御曹司である郁人と平凡な会社員である自分の結婚が、簡単にいくはずがない。
心音もそれは分かっていた。
郁人には、もっと相応しい人がいる。
それもずっと思ってきていた。
でもそれでも、郁人と離れることができないから、彼の側にいることを選んだ。
「私はもう、覚悟はできています」
これから先、何が起こっても、今の選択に後悔はない。
たとえ、傷つくことになったとしても。