この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
『郁人さん、どうかしましたか?』
心音はできるだけ明るくそう言う。
『今どこですか?今日は仕事が早く終わったので、一緒にご飯でもどうかなと思って』
『あー……』
今、郁人に会ってしまったら、感情がぐちゃぐちゃになって泣いてしまいそうだった。
『えっと、今日は仕事があって残業になりそうなんです』
『そうですか……』
落胆した郁人の声に、胸が痛くなる。
電話を切ると、心音は家には帰らず、近くの公園にやって来た。
ベンチに腰を下ろし、湖を眺めて考えた。
どうすることが、郁人のためになるのか。
ビルの明かりが湖に反射して、水辺が綺麗に光る。
だんだんと人の姿もまばらになっていき、静寂さに包み込まれる。
気づけば、日が暮れて真っ暗になってた。
(いいかげん、帰らないと)
そう思って、ベンチから腰を上げたところだった。