この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました

『郁人さん、どうかしましたか?』

心音はできるだけ明るくそう言う。

『今どこですか?今日は仕事が早く終わったので、一緒にご飯でもどうかなと思って』
『あー……』

今、郁人に会ってしまったら、感情がぐちゃぐちゃになって泣いてしまいそうだった。

『えっと、今日は仕事があって残業になりそうなんです』
『そうですか……』

落胆した郁人の声に、胸が痛くなる。

電話を切ると、心音は家には帰らず、近くの公園にやって来た。

ベンチに腰を下ろし、湖を眺めて考えた。

どうすることが、郁人のためになるのか。

ビルの明かりが湖に反射して、水辺が綺麗に光る。

だんだんと人の姿もまばらになっていき、静寂さに包み込まれる。

気づけば、日が暮れて真っ暗になってた。

(いいかげん、帰らないと)

そう思って、ベンチから腰を上げたところだった。
< 195 / 224 >

この作品をシェア

pagetop