この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
そこに心音が頼んだ料理が運ばれてくる。
真っ白なお皿の上にあるのは、黒いパスタ。
「イカ墨ですか」
「はい、一度食べてみたかったんです」
頬杖をついていた男性が、椅子の背もたれに背を預け、深く座る。
心音はちらりと男達がいた方を見る。
(あれ……)
そこには、もう男達の姿はなかった。
(いつの間にいなくなったんだろう……でもよかった)
男性の気遣いもあり気を取り直した心音は、スプーンとフォークを手に持ち、イカ墨パスタを食べる。
「うーん美味しいっ!」
想像以上の美味しさに頬を緩ませる。
前に日本で食べたことがあったが、本場で食べる方がやっぱり美味しい。
手を止めることなくもりもりと食べる心音を男性はじっと見る。
(なんでそんなじっと見てくるんだろう……)
食べ方が汚かったのだろうか。大口を開けてみっともないと思われたのだろうか。
「よく食べるんですね」
「はい。食べることが好きなんです。……女性らしくないですよね」
心音はそう言いながら、自重気味に笑う。
きっとこういうところも、康太郎に愛想尽かされた原因の一つだったのだろう。