この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
階段を上がると、人がいない屋上にやって来た。
生ぬるい風を感じながら、心音は郁人の後ろで足を止めた。
久しぶりに見た郁人は、どこかやつれているように見えた。
仕事が忙しくて、食事をきちんと取れていないのだろうか。
心配だったが、今の自分はそんなことを聞ける立場ではない。
郁人はただの上司なのだから。
「今日まで、考えてきました。二人のために……いえ、君のために、どうするべきなのかと」
前を向いたまま、郁人はゆっくりとした口調で続ける。
「前に、君が俺と結婚をすれば、君が傷つくことになると、お祖父様に言われました。俺が守ればいい。そう思ったけど、現実は俺が想像する以上に優しくはないということに気づきました。……でも、それでも、俺は君を諦められない」
郁人は両手をぎゅっと握る。
「君への気持ちを抑えようとした時もありましたが、抑えようとすればするほどに、君への想いが溢れてしまう」