この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
泣きそうになり、心音は涙を流すまいと、空を見上げる。
「……ああなんで、こんなに綺麗なの……?」
空は茜色に染まり、とても美しかった。
このままこの美しい空を見上げていたら、本当に泣いてしまいそうだ。
心音は郁人から顔を背け、震える唇を噛み締めて、必死に涙を堪えた。
(今泣いたらダメだ。郁人さんを困らせてしまう)
そう思い、涙腺に溢れ出てきてしまった涙を急いで手で振り払う。
すると、背中に温かな温もりを感じる。
心音の背中に、郁人の片手が添えられていた。
「すいません、綺麗な街並みに感傷的になってしまったみたいです」
心音は迷惑をかけないようにと、笑みを浮かべ気丈に言うが、郁人は背中を優しく摩ってくれる。
その手の温もりに、視界が歪み、ストッパーが外れたかのように、涙が溢れ出た。
「くっ……ううっ」
身を縮めながら肩を振るわせ、涙を流す心音。
郁人は何も言わず、心音が泣き止むまで、ずっと背中を摩ってくれた。