この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
心音は松下から予算書を引き継ぐと、すぐに作成に取り掛かった。
パソコンで入力し終えると、コピー機で印刷し、オフィスを出る。
経理部のオフィスは下の階にある。
エレベーターに乗ろうと廊下の角を曲がったところだった。
ドンッと、誰かにぶつかってしまい心音はよろけた。
「ごめんなさい」
謝りながら顔を上げると、そこにいたのは康太郎だった。
「康太郎……」
「なんだ、心音か」
そう、康太郎は冷めた顔で言い、心音を見下ろす。
(こんなところで会うなんて)
康太郎には、あれから一度も会っていなかった。
広い会社だから大丈夫だと、すっかり油断していた。
「……おつかれさまです」
そう言い、心音は足早に康太郎の横を通り過ぎようとする。
「ちょうどよかったわ。一応、言っとくけど、俺たちもう別れたんだし、商品開発部の人たちにもそう言っとけよ。お前と付き合ったままって思われたくないから。まぁ、仕事では今まで通りに接してやるから」
そう言い、鼻で笑い蔑んだ笑みを浮かべる康太郎。
馬鹿にされていると分かっていながらも、心音は何も言い返せない。
(っ……どうしてそんな酷い言い方ができるの)