この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました

心音は松下から予算書を引き継ぐと、すぐに作成に取り掛かった。

パソコンで入力し終えると、コピー機で印刷し、オフィスを出る。

経理部のオフィスは下の階にある。

エレベーターに乗ろうと廊下の角を曲がったところだった。

ドンッと、誰かにぶつかってしまい心音はよろけた。

「ごめんなさい」

謝りながら顔を上げると、そこにいたのは康太郎だった。

「康太郎……」
「なんだ、心音か」

そう、康太郎は冷めた顔で言い、心音を見下ろす。

(こんなところで会うなんて)

康太郎には、あれから一度も会っていなかった。

広い会社だから大丈夫だと、すっかり油断していた。

「……おつかれさまです」

そう言い、心音は足早に康太郎の横を通り過ぎようとする。

「ちょうどよかったわ。一応、言っとくけど、俺たちもう別れたんだし、商品開発部の人たちにもそう言っとけよ。お前と付き合ったままって思われたくないから。まぁ、仕事では今まで通りに接してやるから」

そう言い、鼻で笑い蔑んだ笑みを浮かべる康太郎。

馬鹿にされていると分かっていながらも、心音は何も言い返せない。

(っ……どうしてそんな酷い言い方ができるの)
< 55 / 224 >

この作品をシェア

pagetop