この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
「ここで何を?」
「いや、ただの立ち話ですよ」
誤解だとでもいうように、康太郎は笑みを浮かべながら両手を胸の高さに上げる。
「立ち話の割には、少々手荒ではないですか?」
「そ、それは……」
口籠る康太郎を、郁人は鋭く目を細め見る。
康太郎はビクッと体を強張らせる。
「社長がご心配なさることは、何もありませんよ」
「そうでしょうか」
睨みつけるようにじっと康太郎を見る郁人。
康太郎の顔から笑みが消える。
(郁人さん……すごく怒ってる)
康太郎は耐えきれず、郁人からサッと目を逸らす。
「……失礼します」
バツが悪そうにすると、康太郎は足早に去っていった。
「あ、あの……」
すると、郁人は何も言わず心音の手を取ると歩き出す。
心音は連れていかれるがまま、エレベーターに乗った。
エレベーターはどんどん浮上していき、最上階で止まる。
エレベーターを降りると、秘書室を通り過ぎ、社長室と書かれた部屋に入る。