この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました



午後七時。レストランにはまだ康太郎の姿はなかった。

先にお店に着いた心音は、窓側の席に案内され椅子に腰を下ろす。

携帯を確認するが、康太郎からの連絡はなかった。

(仕事で少し遅れてるのかも)

心音は膝で抱えていた正方形型の箱に視線を落とす。

箱の中には、心音が康太郎のために作ったショコラケーキが入っている。

甘いものがあまり得意ではない康太郎のために、カカオが高いチョコを使った。

記念日のお祝いに後で二人で食べようと思って、この日のために試行錯誤を繰り返して作ったのだ。

(もし本当にプロポーズされたらどうしよう……驚きだけど、康太郎が私なんかでもいいと言ってくれるなら、私は結婚したい)

もしかしたらの出来事を考えているうちに、緊張してきてしまい、心音は箱をテーブルの上に置くと、一度お手洗いに席を立った。

少しして席に戻るが、康太郎の姿はまだなかった。

それから十分、二十分、三十分と時間が経っても、康太郎は店に現れず連絡もない。

(……康太郎、どうしたんだろう)

窓ガラスに雫が滴る。外は予報外れの雨が降ってきていた。

どこからともなく聞こえてくる救急車のサイレン音、偶然重なったであろうその出来事が、康太郎の身に何かあったのかもしれないと、心音を不安にさせる。
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