この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
(郁人さんに、全てを話そう)
「イタリアで、付き合っていた彼のことを話したのを覚えていますか?」
心音の問いに、郁人は静かに頷く。
「その彼と言うのが、先ほど会った営業部の神田康太郎さんです。別れる時、彼に言われたんです。お前は地味でつまらない女だって」
降りしきる無情なあの雨の中、康太郎に言われたことが、心音の頭にフラッシュバックする。
氷のように冷たい目で自分を見下ろしていた恋人だった男の姿が、今も脳裏に焼き付いていた。
「私、怖くて……また裏切られたらどうしよう、傷つきたくないって思って。だって……私、郁人さんのこと、すごく好きになってしまったから……!」
あの時、郁人の寝顔を見てとても愛おしく思った。
こんなにも愛おしく思ってしまった人を失いたくない。
とても怖い。
そう思った。
だったたらいっそのこと、何も始めなければいい。
これを一夜での関係にして、もう会わない。
それが自分の心を守る一番の方法だと思った。