この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
勇気を出したいけど
__自分が恋をするなんて、一生ないと思っていた。親の決めた相手と見合いをして、愛のない結婚をし、会社の後継のために父親になる。それが俺の人生のはずだった。
「おつかれさまでした」
長かった役員会議を終え、車に乗り込んだ郁人は、シートに深く背を預けると、天井を見上げ一息つく。
(疲れた……どうしてじじい共は、ああも話が長いんだ)
こっちは仕事の話をしに来ているというのに、口を開けばされる世間話にうんざりした。
「このまま会社に戻ってよろしいでしょうか」
郁人が頷くと、進藤はアクセルを踏み、車は動き出しゆっくりと加速していく。
「社長、お疲れのところ申し訳ありませんが、一つお聞きしたいことが」
ミラー越しに、進藤は郁人を見ながらそう言ってくる。
何を聞かれるのかは予想はついている。
大学の後輩でもある秘書の進藤新のことは、郁人はよく分かっている。
何事も真意を確かめずにはいられない性格をしている進藤、当然、彼女のこともすぐに聞いてきた。
「なんだ」
「あの方と本気で結婚なさるおつもりですか」
(やっぱりな)
あの方とは、郁人がイタリアで出会い一目で恋に落ちた、天野心音のことだ。