この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
進藤が自分を心配しているということは郁人は分かっていた。
自分の家柄や財産目当てで言い寄ってくる女は今まで多くいた。
それに嫌気がさしたこともあり、恋愛からは遠のいた人生を送ってた。
だが、心音は郁人の肩書きを知らずとも、郁人に思いを寄せていた。
「純粋で思いやりのある彼女が、人を地位や財産で判断する人間には思えない」
むしろ、社長と知ったことで、関係性を怯んだくらいだ。
「分かりませんよ、純情ぶっているだけかもしれませんし」
「……進藤」
郁人の冷えついた声と鋭い視線に、進藤は咳払いをする。
「申し訳ありません、失言でした。……ですが、そこまで断言するのなら、なぜ会長にご報告なさらないのですか?好きな方がいると聞けば、会長はお喜びになられますし、見合いだってしなずに済みます」
郁人がイタリアで心音とレストランで食事をしていたあの時、本当であれば、郁人は日本に帰国する予定だった。
その翌日に、祖父の勧めで見合いをすることになっていたからだ。
だが、郁人はその見合いをキャンセルし、イタリアに残った。