この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
「見合いはもうしない。お祖父様には、俺から話をする」
心音とは気持ちは通じ合っている。
だが、今の心音は元彼に裏切られ傷つけられたことで、恋に臆病になり、心を閉ざしてしまっていることに変わりはない。
いきなりのプロポーズで驚かせてしまったが、これから時間をかけて、心音に自分の思いを伝えていきたいと郁人は思っていた。
窓の外に目を向けると、心音が会社のエントランスから出てくるのが見えた。
自然と郁人の口元に笑みが浮かぶ。
その優しい笑みに、進藤は内心驚いた。
いつも淡々としていて、何を考えているのか分からない郁人が、誰かを見てあんな優しい笑みを浮かべたことなど、一度もなかったからだ。
「進藤、ペンと紙をくれ」
「はい?」
「いいから早く」
車を止めた進藤はスーツの懐からペンと紙を取り出すと郁人に渡す。
郁人は速やかにペンを走らせると、小さく折りたたんで片手に隠すように握り、車を降りた。