この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
悪い気はしているが、まだ自分の中で結論が出せていないのに、どう接していいのか分からなかった。
「あの社長の彼女になる人って、やっぱり相当綺麗な人なんですかね」
「才色兼備ってやつなんじゃないの?あれだけ完璧な人なら、相手も同じレベルを求めるでしょうし」
「確かにそうですね」
二人の会話に耳を傾けながら、サンドウィッチを食べていた心音は考えていた。
郁人は自分なんかのどこが好きなのかと。
顔も特別可愛いわけでもないし、スタイルがいいわけでもない。
よく食べるから、どちらかというとぽっちゃりしている方だ。
大学を出ているとはいえ、ランクは下から数えた方が早い私立大学で、特別頭がいいわけでもない。
家だってごく普通の一般家庭だ。
好きになってもらえる要素がどこにもないのに、一体どこを好いてくれているというのか。
「でも、これでやっと会社は安定するはね」
安藤の意味深な言葉に、サンドウィッチを食べていた心音の手が止まる。
「どう言う意味ですか?」
安藤は辺りを見回すと、心音と松下に手招きし、声を顰めながら言う。
「やめた先輩社員から聞いた話なんだけど、社長のご両親、随分前に亡くなってるらしいのよ」
「え?」
(郁人さんのご両親が、亡くなってる……?)