この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました

(このジュエリー、一体いくらするんだろう……)

ハイブランドショップに置かれた商品には、普段、心音が行く洋服店のようにタグなんてものはない。

きっととんでもない数のゼロがつくのだろう。

(私のお給料がいくらあっても、ここのお店のものは買えない)

とんでもない環境下にいることを改めて自覚し、心音は小さく身震いする。

「心音さん」

振り向くと、郁人はソファに座っていた。

「座って」

そう、郁人は自分の横をポンポンと片手で叩く。

心音は郁人の隣に腰を下ろした。

目の前にあるテーブルには、紅茶や洋菓子が置かれている。

郁人は片手でタブレットを見ながら、優雅に紅茶を飲んでいる。

ハイブランドショプでは、こうして飲食をしながら買い物をするのが普通のようだ。

「郁人さん、何かお買い物されるんですか?」

そう尋ねる心音に、郁人はキョトンとした顔を見せるが、「フッ」と笑う。

「ええ、とある方にプレゼントを贈ります」

とそこに、ハンガーラックを引いた女性店員が戻ってくる。

「準備ができました」

郁人は女性店員に頷くと、心音を見る。
< 78 / 224 >

この作品をシェア

pagetop