この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
女将は心音を見ると、ニコッと笑いかける。
「彼女さんですか?」
「い、いえ……! 私は……」
(なんて言ったら、いいんだろう)
「そうなってほしくて、今、口説いている最中なんですよ」
「い、郁人さん……!?」
(そんなハッキリと言わなくても)
こっちが恥ずかしい気持ちになり、心音は頬を赤らめ俯く。
「あらあらまあまあ、そうでしたか」
女将は着物の袖で口元を隠しながら「うふふっ」と楽しげに笑う。
「では、お座敷にご案内いたしますね」
女将の後に続き料亭の中に入る。
鯉が泳ぐ池に架けられた橋を渡り、長い廊下を奥まで進むと本館を離れ、別館の個室に案内される。
「こちらになります」
襖が開かれると、ほんのりとしたオレンジ色の照明に照らされる、六畳ほどの広々とした和室があった。