この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
長方形型の木製テーブルと椅子が置かれていて、壁には松の木が描かれていた。
ガラス張りになった大きな窓からは美しい日本庭園が見渡せ、奥には三畳ほどの控えの間があった。
「では、始めさせていただきますね」
心音と郁人が正面に向き合い腰をおろすと、女将はそう言い部屋を出て行く。
こんな格式高い高級料亭に来るのは初めてで、心音は気後れしてしまっていた。
そんな心音とは対照的に、郁人はリラックスした表情で椅子に腰を下ろしている。
「素敵なところですね。郁人さんはよくここへ来られるんですか?」
「小学生の時に両親と来たのが最初です」
「ご両親と……そうなんですね」
お坊っちゃまと言われていたくらいだから、すごく昔から来ていたのだろうと思っていたが、そんな小さな頃からだったとは。
さすがは財閥御曹司だ。
「そういえば、郁人さんって、今おいくつなんですか?」
「今年で三十二になります」
「えっ!」
驚いた心音は両手で口を塞ぐ。
(てっきり、二十代後半くらいかとばかり……)
郁人は若々しく、とても三十代には見えなかった。