この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
お手洗いに席を立って戻ったところで、中から女将の声が聞こえてきて、心音は足を止めた。
少しだけ開かれた襖から、女将と郁人の姿が見える。
「素敵な方ではありませんか、私くし共も安心いたしました。きっと……天国のご両親もお喜ばれていますね」
女将の言葉に、心音は驚愕した。
(……安藤さんの言ってたことは、本当だったんだ。郁人さんのご両親は、もう……)
動揺していると襖が開き、女将が個室から出てくる。
女将は一瞬、驚いた顔をしたが、すぐににこやかな笑みを浮かべた。
「お戻りでしたか」
「はい……」
「デザートをお持ちさせていただきました」
女将はそう言うと廊下に消えていく。
視線を感じ見ると、郁人がこちらを見ていた。