この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
「名残惜しいですか」
「え?」
心音が顔を上げると、郁人に引き寄せられ、心音はそのまま郁人の胸の中へ。
ぎゅっと抱きしめられる。
「俺は名残惜しいですよ。心音さんはどうですか?」
「私は……」
心音はゆっくりと郁人の背中に両腕を回すと、抱きしめ返した。
「名残惜しいです。とても……」
郁人の胸に顔をうずめると、ドクンッドクンッと静かに波打つ郁人の鼓動が聞こえた。
この腕に包まれ、この鼓動に耳を傾けていると、彼の腕の中が、自分の居場所のように心音は感じる。
心音は郁人のシャツを両手でぎゅっと握った。
それはあの日のように、離れたくないと、意志を伝えているかのようだった。
「さあ、入って」
郁人は体を離すとそう告げる。
心音は名残惜しくも郁人の側を離れ、家の中に入った。
玄関のドアを閉め、静まり返った空間に一人になる。
まだ胸がドキドキしていた。