僕の秘密と、彼女の嘘

嘘の中の真実

「ゆっくり話したい」

そう言われて、僕の家に移動した。

「ごめん……約束あったんだよね?」

飲み物を出しながら言うと、七瀬は肩をすくめた。

「うん。でも一日くらい顔出さなくても大丈夫。柚希もああ言ってたし」

「……柚希」

「友達。学祭の打ち合わせ。あと渉と迅都って友達も一緒。」

ぽんぽん出てくる男友達の名前。
違和感を覚えながら、隣に座る七瀬を見る。

……雰囲気、変わりすぎだよ。

座り方も、話し方も、声も。
全部、今までの七瀬と違う。

「七瀬は……男なの?」

「そうだよ」

七瀬は、穏やかに笑った。

「これが僕の本来の姿」

*

「学校ではちゃんと男の制服来てるんだ。周りが混乱するからね」

そう言って、七瀬は苦笑する。

「でも女装してるのはみんな知ってるし、それをどうこう言う人もいないけどね。今の学校は。」

“今の学校は”。

その一言に、過去の重さを感じた。

「……どうして、いつも女の子の服を?」

「僕、お姉ちゃんたちの着せ替え人形だから」
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