遅かれ、早かれ、恋になりまして。

「これです……ここなんですけど」


私は急いで画面を指さす。


「LPの遷移先が、配信開始日に間に合わない可能性があって……このままだと最初のクリックが無効になるかもしれなくて……」


言いながら、焦りで言葉が少し乱れる。有馬さんは椅子に座るでもなく、立ったまま画面を見た。


「ここですね」


一瞬でポイントを掴むようにスクロールする。


「これ、仕様変更の反映漏れですね」

「……やっぱりそうですよね」

「対応は二つです。①LP側を前倒しで差し替える、②広告配信の開始を数時間遅らせる。ただし後者はインプレッション損失が出る可能性があるので、基本は①です」

「じゃあ、今から……修正依頼出せば……」

「はい。僕も一度確認入れます」


その一言で、空気が少しだけ変わる。


「すみません、本当に……私がちゃんと最後確認できてなくて……こういうの、絶対やっちゃいけないのに……」


すると有馬さんは、画面から視線を外さずに言った。


「ミスというより、構造の抜けですね」

「……え?」

「明石さんのチェックが甘いというより、更新フローが複数経路になっていて、反映のタイミングが揃っていない。なので、これは個人の責任ではないです」

「……でも、気づけたのは私が遅かったからで」

「気づけた時点で十分です」


その一言で、言葉が止まる。


「今から直せば間に合います」


短く、でもはっきりと言われる。私は小さく頷いた。


「……はい」
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