遅かれ、早かれ、恋になりまして。
「今日、私がご馳走する日だから、なんでも頼んでね」
「あざっす」
軽い返事と同時に、八木くんは迷いなくタッチパネルを操作し始めた。サラダ、温野菜、パン、パスタ2つ。ぽんぽん注文が追加されていくのを見ながら、私は思わず瞬きをする。
「す……凄いね」
「普通じゃないですか?」
普通!?昼ごはんだよ!?私はまだどのパスタにしようかな……で止まってるのに、八木くんはもうフルコースみたいになってる。さすが23歳。
でも男の人ってほんとよく食べるなぁ……。しかも細いのにどこに入るんだろう。燃費どうなってるの。
少し待つと、料理がどんどん運ばれてきた。先にサラダ、そのあと温野菜、パン。テーブルが一気に賑やかになっていく。
「八木くん、先に食べてていいよ」
「いいんですか?」
私はまだメニュー画面を行ったり来たりしていた。だって決まらない。クリーム系もいいし、トマト系もいい。あ、でも今日はちょっと疲れてるから優しい味のほうが……いやでも限定メニュー気になる……。
結局、八木くんより注文に時間がかかってしまって、その間に八木くんの料理がどんどん揃っていく。八木くんは「いただきます」とちゃんと手を合わせてから食べ始めた。
ぼーっと見ていたら、八木くんがパンをひと口食べて、「うま」と呟く。そのあとサラダも普通に勢いよく食べ始めて、私は思わずじっと見てしまった。
……これだけ食べるなんて、恐ろしいな男の子って。