遅かれ、早かれ、恋になりまして。
**
気づけば、乾杯してからもう二時間も経っていた。
最初はぎこちなかった空気も、料理が運ばれて、お酒が進んでいくうちにどんどん崩れていって、最後のほうなんて普通に笑い声ばっかりだった。
店を出て外へ出た瞬間、ふわっと夜風が頬に当たった。少し冷たいはずなのに、アルコールが回ってるせいか、その冷たさがむしろ気持ちいい。火照った肌をゆっくり冷ましてくれるみたいで、私は小さく息を吐いた。
「うー……飲みすぎた」
隣で情けない声を出したのは八木くんだった。
「八木くん、大丈夫?」
結局あのあと、私は田辺さんとかなり盛り上がってしまった。
同い年ってわかった瞬間、一気に距離が縮まった気がして。好きな俳優の話とか、休日なにしてるとか、よく聴く音楽とか。仕事以外の話をする田辺さんは、思っていた以上に気さくで、普通に話しやすい人だった。たまに仕事の話も挟みつつ、気づけば二人でずっと喋っていて、そのたびに八木くんが「飲みすぎです!」と半ば保護者みたいな顔をしながら、私たちから奪ったビールを全部飲み切っていた。
そして今、その結果がこれだった。店を出た外階段のところで、八木くんは完全に潰れている。
「私、お酒強いから無理して飲まなくてもよかったのに」
「そうなんですか……早く言ってくださいよ……」
八木くんは死にそうな声でそう返して、高瀬課長が心配そうに八木くんの前へしゃがみ込んだ。
「大丈夫か?」
「…………。」
返事がない。
「え、寝た?」
思わず田辺さんと顔を見合わせる。八木くん、うつむいたまま微動だにしない。まさかほんとに?
悪いことしちゃったなー……と、田辺さんが困ったように眉を下げる。
気づけば、乾杯してからもう二時間も経っていた。
最初はぎこちなかった空気も、料理が運ばれて、お酒が進んでいくうちにどんどん崩れていって、最後のほうなんて普通に笑い声ばっかりだった。
店を出て外へ出た瞬間、ふわっと夜風が頬に当たった。少し冷たいはずなのに、アルコールが回ってるせいか、その冷たさがむしろ気持ちいい。火照った肌をゆっくり冷ましてくれるみたいで、私は小さく息を吐いた。
「うー……飲みすぎた」
隣で情けない声を出したのは八木くんだった。
「八木くん、大丈夫?」
結局あのあと、私は田辺さんとかなり盛り上がってしまった。
同い年ってわかった瞬間、一気に距離が縮まった気がして。好きな俳優の話とか、休日なにしてるとか、よく聴く音楽とか。仕事以外の話をする田辺さんは、思っていた以上に気さくで、普通に話しやすい人だった。たまに仕事の話も挟みつつ、気づけば二人でずっと喋っていて、そのたびに八木くんが「飲みすぎです!」と半ば保護者みたいな顔をしながら、私たちから奪ったビールを全部飲み切っていた。
そして今、その結果がこれだった。店を出た外階段のところで、八木くんは完全に潰れている。
「私、お酒強いから無理して飲まなくてもよかったのに」
「そうなんですか……早く言ってくださいよ……」
八木くんは死にそうな声でそう返して、高瀬課長が心配そうに八木くんの前へしゃがみ込んだ。
「大丈夫か?」
「…………。」
返事がない。
「え、寝た?」
思わず田辺さんと顔を見合わせる。八木くん、うつむいたまま微動だにしない。まさかほんとに?
悪いことしちゃったなー……と、田辺さんが困ったように眉を下げる。