遅かれ、早かれ、恋になりまして。
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有馬さんとの関係が落ち着いて、一週間が経った頃。
久しぶりに佳奈子とランチに行った私は、今までのことを全部話した。

懇親会のあと、ふたりでバーに行ったこと。そこで、自分が有馬さんを好きなんだって気付いたこと。でも、有馬さんの元カノには敵わない気がして、諦めようとしてたこと。そんな時に八木くんに告白されて、背中を押してもらったこと。

そして――有馬さんが、「好き」って言ってくれたこと。

佳奈子は運ばれてきたパスタにも手をつけず、ずっと真剣な顔で話を聞いてくれていた。


「……一気に情報量多すぎるんだけど」

「ごめん。なかなか話すタイミングなくて……。私もまだ、自分のことなのに整理できてないっていうか」


そう言うと、佳奈子はやっとフォークを手に取って、パスタをくるくる巻きながら大きく目を丸くした。


「衝撃すぎて上手いこと言えないけどさ……でも、有馬さんってヤヨのことちゃんと大事にしてくれてるんだよね?」

「うん……まあ?」

「なにその微妙な返事」


呆れたみたいに笑われて、私は思わず視線を落とした。


「……実は、あれから会えてないんだよね」

「は!?」


NEXERAに書類を届けに行った日の帰り。有馬さんはロビーまで見送ってくれた。その時だった。少し申し訳なさそうな顔で、有馬さんが口を開いたのは。

『今日から電車の時間、元に戻るって言ってたんですけど……当分、無理そうです』

『……そうなんですね』

笑わなきゃって思ったのに、うまく口角が上がらなかった。

『あと、夜も時間作れなさそうで』

『……はい』

仕方ないって分かってる。仕事が忙しい人だって、最初から知ってた。

『なので……急になるかもしれませんが、絶対に時間は作るので。その時は、電話してもいいですか?』

まっすぐに見つめてくる、アーモンド形の瞳。そんなふうに言われたら、嫌だなんて思えるわけない。

むしろ――有馬さんのためなら、私はいつまでだって待てる気がしていた。
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