遅かれ、早かれ、恋になりまして。
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「今日は、運用フェーズにおける広告設計およびLP構成の最終確認とご承認をいただくための打ち合わせになります」


私は落ち着いた声を意識して言い切った。

視線を一人一人へと向けながら説明を始めるのに、どうしても正面に座る彼の存在だけは、意識の奥から消えてくれない。

目が合った瞬間、ほんの一瞬だけ呼吸が詰まって、私は慌てて資料へと視線を落とした。

あぁ、もう気にしたくないのに。昨日の今日だ。
迷惑をかけた上に助けてもらったという事実が、申し訳なさと気まずさを同時に連れてきて、会いたくなかったのに、会いたかったなんていう矛盾した気持ちまで勝手に浮かんでしまう。

そんな自分が一番面倒くさい。

説明を続けながらも、視線が合うたびに、ほんの少しだけ呼吸のリズムが乱れてしまうのを自覚して、そのたびに余計に意識してしまうのが悔しかった。


私はスライドを切り替えながら、LP構成について説明を続けた。


「ファーストビューでは課題提起と導入メリットを明確にし、その下に実際の業務改善イメージを配置し、最終的なCTAへ自然に誘導する設計になっています」


言葉を重ねるたびに、頭の中が少しずつ整理されていくのが分かる。前回までの修正をすべて反映したこの形は、自分でも悪くないと思える完成度だった。

課長が横で小さく頷きながら補足を入れる。


「今回の構成であれば、実際の運用負荷も問題ないレベルかと思います」


その言葉に少しだけ安心して息を整えた瞬間、有馬さんが静かに口を開いた。


「ここまでの設計ですが、実際の運用を考えたときに、KPIの置き方はこのままで問題ないですか」


私は一度だけ資料に視線を落としてから、「継続利用率と追加機能の利用率を主要指標として設定しており、初期段階では七割以上の定着を目標としています」と答える。

すると彼は小さく頷き、「問題ないと思います」とだけ言った。その一言が妙に軽くも重くも感じられて、私は一瞬だけ手元のマウスを握る力を強めてしまう。
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