【忙しい人のための】シン・安倍晴明物語~天才陰陽師の恋~
第4話 予期せぬ再会
朝、晴明が目覚めると、隣に玉屑が寝ていた。彼は驚きのあまり飛び起きて玉屑の体を揺すったが、起きる気配はない。仕方なく、晴明は彼女をこのまま寝かせておくことにした。そうしているうちに賀茂忠行と保憲も起きてきたので、晴明は事情を説明した。夢の中の存在にすぎないと思っていた玉屑が現れたので、誰もが驚いていた。
しばらくして玉屑が目を覚まし、驚いた顔で晴明を見た。晴明は大丈夫かと声をかけるが、返事はない。玉屑は、自分が話しかけられていると分かっていないようだ。晴明が根気よく話し続けて、ようやく彼女は自分が置かれている状況を察する。
玉屑は皆の前で自己紹介をした。晴明が夢で見たとおり、彼女は泰山府君の娘だった。玉屑が現世に舞い降りたのは、陰陽師の家系である賀茂家にご利益をもたらすためだという。保憲はふと疑問に思った。陰陽師の家系は他にもあるのに、なぜ賀茂家なのかと。玉屑いわく、保憲は暦生の身分でありながら造暦を任されるほど優秀な成績を収めているので、将来は陰陽寮を牽引するにちがいないと見込んだのだという。彼女がたどたどしい口調で説明するので、晴明をはじめその場にいた皆は不審に思った。
朝餉の時間になり、賀茂忠行は神饌と称して玉屑に豪華な食事を振る舞おうとする。玉屑は忠行の勧めを断り「あの人と同じものを」と言って晴明を指し示した。晴明は驚き、忠行も戸惑いを見せた。とはいえ、彼女が一歩も譲らないので、忠行は仕方なく晴明の普段の食事と同じものを準備させた。
忠行は玉屑が食べる場所を整えようとしたが、彼女は食膳を晴明の隣に置いて座った。粗末な食事にもかかわらず彼女は目を輝かせていたので、晴明は不思議に感じる。ところが、いざ食べると玉屑は不味そうに咳き込んでしまう。忠行は慌ててすぐに食事を取り替えさせようとするが、彼女は我慢して食べ続けた。
晴明と保憲が陰陽寮に出勤しようとすると、玉屑に引き止められた。保憲の衣服の中に不浄の気配があるという。玉屑は保憲を別室へ連れていき、衣服の中にある物をすべて出すよう命じた。ところが、保憲は何も持っていない。彼女は「そんなはずはない」と言って保憲の衣服をまさぐる。ちょうどそのとき、別室に来た晴明が二人が揉み合っている様子を目撃する。玉屑は慌てて保憲から手を離した。保憲は「衣服そのものに不浄の気配があるのかもしれない」と言ってその場を収め、自ら着替えた。そうこうしているうちに、出勤時刻が迫ってきた。晴明と保憲は慌てて屋敷を出発した。
陰陽寮に到着した晴明は、保憲に玉屑の印象を打ち明ける。夢で見ていた玉屑は気品があり物腰の柔らかい仙女だった。一方、晴明の前に現れた彼女は挙動不審で余裕がない。二人が同一人物かどうかは疑わしい。だが、保憲は同一人物だと推測していた。大勢の陰陽師の中から玉屑が賀茂家を選んだのは、晴明の想いに引き寄せられたからだと。
その頃、玉屑は宮門の前で通りすがる貴族たちに駆け寄り、何とかして大内裏に入ろうとしていた。しかし、彼らは不審に思って相手にしない。玉屑が困り果てていたとき、ちょうど藤原伊尹が来た。玉屑が事情を説明すると、伊尹から保憲の式神なのかと聞かれた。彼女はそのようなものだと答え、伊尹と共に宮門をくぐった。衛兵を始め周囲の人々は、式神が実在したことに驚いていた。
陰陽寮に伊尹が訪ねてきた。秦連茂に用があるという。連茂は伊尹と面識がなかったので、不思議に思う。その場に居合わせた晴明にも、伊尹の意図が読めない。玉屑は連茂に、彼の妹と晴明の縁談について問いただした。連茂は破談になったと答える。晴明は一生独身でいることに決めたのだと。その答えを聞いた玉屑は安堵した。そして、連茂に今日のことは秘密にするよう伝えた。
嫌な予感がした晴明が陰陽寮を出ると、連茂と玉屑が話をしていた。玉屑の傍らには伊尹がいた。連茂は、玉屑から陰陽寮の案内を頼まれたという。晴明は道に迷うことなく大内裏にたどり着いた玉屑を不審に思った。陰陽寮は女人禁制ではないが、玉屑のような存在がいると騒ぎになる。晴明は玉屑を連れて帰ろうとした。ところが、騒ぎを聞きつけた学生たちが集まってきた。伊尹は玉屑を賀茂家の式神だと紹介する。誰もが「式神を従えている陰陽師を初めて見た」と感嘆した。晴明と保憲は困惑するばかりだった。
賀茂邸に帰った晴明は、玉屑に陰陽寮へ赴いた理由を問いただした。彼女いわく、晴明と保憲の働きぶりを見てみたかったのだという。一方、保憲は玉屑が来たことよりも彼女が式神として紹介されたことに頭を悩ませていた。忠行はこれを逆手にとり、保憲に玉屑を連れて歩かせようとした。式神を使役するただ一人の陰陽師だと世間に知られれば、周囲から一目置かれることは間違いない。こうして、玉屑は半ば強引に賀茂家の式神にされた。
しばらくして玉屑が目を覚まし、驚いた顔で晴明を見た。晴明は大丈夫かと声をかけるが、返事はない。玉屑は、自分が話しかけられていると分かっていないようだ。晴明が根気よく話し続けて、ようやく彼女は自分が置かれている状況を察する。
玉屑は皆の前で自己紹介をした。晴明が夢で見たとおり、彼女は泰山府君の娘だった。玉屑が現世に舞い降りたのは、陰陽師の家系である賀茂家にご利益をもたらすためだという。保憲はふと疑問に思った。陰陽師の家系は他にもあるのに、なぜ賀茂家なのかと。玉屑いわく、保憲は暦生の身分でありながら造暦を任されるほど優秀な成績を収めているので、将来は陰陽寮を牽引するにちがいないと見込んだのだという。彼女がたどたどしい口調で説明するので、晴明をはじめその場にいた皆は不審に思った。
朝餉の時間になり、賀茂忠行は神饌と称して玉屑に豪華な食事を振る舞おうとする。玉屑は忠行の勧めを断り「あの人と同じものを」と言って晴明を指し示した。晴明は驚き、忠行も戸惑いを見せた。とはいえ、彼女が一歩も譲らないので、忠行は仕方なく晴明の普段の食事と同じものを準備させた。
忠行は玉屑が食べる場所を整えようとしたが、彼女は食膳を晴明の隣に置いて座った。粗末な食事にもかかわらず彼女は目を輝かせていたので、晴明は不思議に感じる。ところが、いざ食べると玉屑は不味そうに咳き込んでしまう。忠行は慌ててすぐに食事を取り替えさせようとするが、彼女は我慢して食べ続けた。
晴明と保憲が陰陽寮に出勤しようとすると、玉屑に引き止められた。保憲の衣服の中に不浄の気配があるという。玉屑は保憲を別室へ連れていき、衣服の中にある物をすべて出すよう命じた。ところが、保憲は何も持っていない。彼女は「そんなはずはない」と言って保憲の衣服をまさぐる。ちょうどそのとき、別室に来た晴明が二人が揉み合っている様子を目撃する。玉屑は慌てて保憲から手を離した。保憲は「衣服そのものに不浄の気配があるのかもしれない」と言ってその場を収め、自ら着替えた。そうこうしているうちに、出勤時刻が迫ってきた。晴明と保憲は慌てて屋敷を出発した。
陰陽寮に到着した晴明は、保憲に玉屑の印象を打ち明ける。夢で見ていた玉屑は気品があり物腰の柔らかい仙女だった。一方、晴明の前に現れた彼女は挙動不審で余裕がない。二人が同一人物かどうかは疑わしい。だが、保憲は同一人物だと推測していた。大勢の陰陽師の中から玉屑が賀茂家を選んだのは、晴明の想いに引き寄せられたからだと。
その頃、玉屑は宮門の前で通りすがる貴族たちに駆け寄り、何とかして大内裏に入ろうとしていた。しかし、彼らは不審に思って相手にしない。玉屑が困り果てていたとき、ちょうど藤原伊尹が来た。玉屑が事情を説明すると、伊尹から保憲の式神なのかと聞かれた。彼女はそのようなものだと答え、伊尹と共に宮門をくぐった。衛兵を始め周囲の人々は、式神が実在したことに驚いていた。
陰陽寮に伊尹が訪ねてきた。秦連茂に用があるという。連茂は伊尹と面識がなかったので、不思議に思う。その場に居合わせた晴明にも、伊尹の意図が読めない。玉屑は連茂に、彼の妹と晴明の縁談について問いただした。連茂は破談になったと答える。晴明は一生独身でいることに決めたのだと。その答えを聞いた玉屑は安堵した。そして、連茂に今日のことは秘密にするよう伝えた。
嫌な予感がした晴明が陰陽寮を出ると、連茂と玉屑が話をしていた。玉屑の傍らには伊尹がいた。連茂は、玉屑から陰陽寮の案内を頼まれたという。晴明は道に迷うことなく大内裏にたどり着いた玉屑を不審に思った。陰陽寮は女人禁制ではないが、玉屑のような存在がいると騒ぎになる。晴明は玉屑を連れて帰ろうとした。ところが、騒ぎを聞きつけた学生たちが集まってきた。伊尹は玉屑を賀茂家の式神だと紹介する。誰もが「式神を従えている陰陽師を初めて見た」と感嘆した。晴明と保憲は困惑するばかりだった。
賀茂邸に帰った晴明は、玉屑に陰陽寮へ赴いた理由を問いただした。彼女いわく、晴明と保憲の働きぶりを見てみたかったのだという。一方、保憲は玉屑が来たことよりも彼女が式神として紹介されたことに頭を悩ませていた。忠行はこれを逆手にとり、保憲に玉屑を連れて歩かせようとした。式神を使役するただ一人の陰陽師だと世間に知られれば、周囲から一目置かれることは間違いない。こうして、玉屑は半ば強引に賀茂家の式神にされた。