本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで
「……よしっ、できた……!」
私は完成した朝食を、ひとつずつトレイに載せた。
照り焼きチキンとレタスのサンドウィッチ。
スモークサーモンとチーズのサンドウィッチ。
ポテトサラダのサンドウィッチ。
野菜たっぷりのミネストローネは取っ手がついたスープ皿にたっぷりと入れて。
あたたかい紅茶。
バナナヨーグルトの蜂蜜がけ。
静かに書斎のドアを開けると、藍堂先生はデスクに向かって執筆中だった。
藍堂先生が座る椅子の横に置いたワゴンには、昨日の夕食の食器が乗っている。
食器がカラになっているのを確認して、朝食を載せたトレイをまず置く。夕食の食器をまとめて、持って来たお盆に乗せて回収した。
(夕食も全部食べてもらえてうれしい)
私の胸はじんわりとあたたかくなった。作った料理を完食してもらえるってうれしいことなんだなぁ。
お昼も、美味しくて活力になるようなご飯を作ろうと改めて強く思った。
――こうして、私はひたすら藍堂先生のご飯を作り、書斎に持って行き、コーヒーを入れ、皿を洗い、洗濯をする。これを繰り返したのだった。