本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで

「わぁ……」

 藍堂先生の車で連れて来られたのは、高級そうなセレクトショップ。
 煌びやかなワンピースやドレス、アクセサリー、バッグ、サンダルなどが並んでいる。

(ファッションに疎い私でもわかる上質な服ばかり……!)

 私が戸惑っている間に藍堂先生は店員女性に話しかけた。

「彼女のドレスアップを頼む」
「かしこまりました」

 洗練された女性店員は、返事をすると私の方を向く。

「こちらへどうぞ」
「は、はい」

(なぜ私がドレスアップを……!? やっぱり地味で、ドレスコードにひっかかりそうなのかも……)

 案内された部屋は、片側の壁が鏡貼りのメイクルームだった。
 おしゃれな丸い椅子に座らされた私は、鏡に映る自分に目が行く。

(自分比で華やかだと思ったけど、めちゃ地味! 素敵なお店にこんな地味女が来てすみません……)

「お待たせいたしました」

 女性店員が持って来た服は光沢のあるワインレッドのワンピース……というもはやドレス。
 自分じゃ絶対に選ばない、着たことのない色だ。裾の形はマーメイド型。これも着たことがない。

(わ、私そんな華やかなドレスみたいなワンピース、絶対に似合わない……!)

 しかし、せっかく選んでくれたのに否定するわけにも行かず、どうしようか考えているうちに、あっという間にワンピースを着せられて、ヘアメイクまで施されてしまった。

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