本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで
「他の女性……? 美咲さんは女性ではないが」
「ええっ!?」

 どういうこと!?
 驚いて顔を上げた私に、藍堂先生は本棚から冊子を取り出して開いて見せた。

「この人が美咲さんだ」

 そこには50代位の恰幅のいい男性が載っている。
 その下に、美咲(みさき)剛健(ごうけん)(51) 文芸苅安編集長と記載されていた。

 美咲って名字だったの……!?
 待って、私の勘違い……!!

「じゃあ、あの女性は一体……」

 藍堂先生はすぐさまスマホを取り出し、電話をかけた。

「もしもし、美咲さんですか。そちらの編集部員を名乗る若い女性が、俺の自宅に来たらしいのですが――」

 電話越しに、美咲さんの驚いた声が聞こえた。
 野太い男の人の声だ。

「――はい、では何かわかりましたらご連絡ください。失礼します」
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