本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで


 新刊を最後まで読み終わった私は、溢れる感想をメモした。
 後で読書感想ブログにまとめるため。

「そういえば、鷹司さんはどうしてるんだろ」

 スマホの時計を見る。どうやら私は約一時間、読書に没頭していたらしい。
 スマホで鷹司さんにメッセージを送るとすぐにやって来た。

「もうめちゃくちゃ面白かったです!」

 私は興奮冷めやらぬ勢いで、作者である鷹司さんに言った。

「それはよかった」

 柔らかく笑う鷹司さんに、私は「鷹司さんは何読んでたんですか?」と尋ねる。

「旅行雑誌だよ」
「おお、いいですねぇ」
「君はどこに行きたい?」
「えっと……温泉?」
「温泉いいな、引っ越しが済んだら行こう」
「はい!」

 未来の話ができるのがうれしい。
 話をしながら私は鷹司さんの車に乗る。
 到着した場所はハイクラスのホテルだった。
< 53 / 86 >

この作品をシェア

pagetop